企業SNS投稿の薬機法チェック手順|NG表現と社内確認体制の作り方

📅 公開日: 2026年9月25日🔄 最終更新: 2026年9月29日

企業SNS投稿が薬機法(医薬品医療機器等法)に抵触するかどうかは、化粧品や医薬部外品、医療機器を扱う会社に限った話ではありません。結論から言うと、確認すべきは三つです。投稿する商品が薬機法の対象区分に入るかどうか、効能効果や安全性について言い切り型の断定表現や最大級の表現を使っていないか、そして投稿前にその二点を確認する社内の体制があるかどうかです。

薬機法第66条は「何人も」を名宛人にしており、自社製品の宣伝担当者だけでなく、他社製品を紹介する投稿やインフルエンサーへの依頼、社員のリポストにも及びうる規定です。e-Gov法令検索「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」によれば、同条第1項は名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならないと定めています。

この記事では、第66条が実務上何を禁止しているのか、SNS投稿で特に詰まりやすい表現パターン、社内でチェックする体制の作り方、運用代行会社との分担、そして過去投稿を点検する手順までを、企業のSNS運用担当者が実際に手を動かせる順番で整理します。個別の投稿が違反にあたるかどうかの最終判断は、必要に応じて弁護士や薬事の専門家に確認してください。

目次

企業SNS投稿でなぜ薬機法の確認が必要なのか

薬機法(医薬品医療機器等法)とは、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器・再生医療等製品の品質、有効性及び安全性を確保するための法律で、これらの広告表現についても虚偽・誇大にわたらないよう定めています。

SNS運用担当者が薬機法を意識するきっかけの多くは、化粧品や美容機器、健康関連の商材を扱うクライアントや自社事業のアカウントを持ったときです。うっかり書いてしまう「たった1日で効果を実感」「業界最高峰の効果」といった表現は、担当者に悪意がなくても規制の対象になり得ます。厚生労働省の医薬品等の広告規制についてでは、令和元年の法改正で課徴金制度が導入され、第66条第1項に違反する行為があったときは、厚生労働大臣が課徴金対象期間中の対価合計額に4.5パーセントを乗じた額の納付を命じなければならないと定められていることが説明されています。同法第75条の5の2第1項にこの算定方法が定められています。

課徴金制度とは別に、行政による是正の仕組みもあります。同法第72条の5では、厚生労働大臣又は都道府県知事は、第66条第1項又は第68条の規定に違反した者に対し、その行為の中止や再発防止に必要な措置、公示その他公衆衛生上の危険の発生を防止するに足りる措置をとるべきことを命じることができ、この命令は違反行為がすでになくなっている場合でも行えると定められています。投稿を削除した後であっても是正命令の対象になり得るという点は、社内で「消せば終わり」という認識にならないよう共有しておく価値があります。

課徴金の額は、違反の対象となった医薬品等の取引額(対価の合計額)を基に算定される仕組みです。SNS運用を外注している場合も、広告主として投稿内容を確認する体制を持っておくことが大切です。だからこそ、投稿を作る現場に近い担当者が最低限の判断基準を持っておくことが、社内で法務部門に確認を仰ぐタイミングを見極める第一歩になります。

薬機法が対象にする商品の範囲

薬機法上の広告規制の対象になる商品とは、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品の五区分を指し、区分ごとに認められる効能効果の範囲が異なります。

厚生労働省が発出した医薬品等適正広告基準(昭和55年薬発第1339号)の「第1(目的)」では、この基準が医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療用具の広告が虚偽、誇大にわたらないようにするとともにその適正を図ることを目的とすると示されています。自社が扱う商材がこの五区分のどれに当たるか、あるいはどれにも当たらない一般消費財なのかを最初に切り分けておくと、以降の確認範囲が絞れます。

注意したいのは、区分によって表現できる効能効果の幅が違う点です。同基準の「第3」「3 効能効果、性能及び安全性関係」では、承認を要する医薬品等についての効能効果等の表現は、承認を受けた効能効果等の範囲を超えないものとすると定められています。化粧品として販売している商品に、医薬部外品や医薬品であれば認められるような効能効果を投稿で謳ってしまうと、区分をまたいだ誤認表示になり得ます。自社の商材がどの区分の承認・届出を受けているかは、マーケティング担当者だけで判断せず、品質保証や薬事の担当部署に確認する運用が現実的です。

承認前の新商品情報をSNSで発信する際の注意

承認前の新商品情報の発信とは、まだ厚生労働大臣の承認や認証を受けていない医薬品・医療機器・再生医療等製品について、発売前にSNSで名称や効能効果に触れることを指します。

新商品の発売を先出しでSNS告知したい場面は少なくありませんが、薬機法第68条は、医薬品、医療機器又は再生医療等製品のうち、承認や認証をまだ受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならないと定めています。条文は効能効果だけでなく名称や製造方法についても対象にしているため、承認前の段階では商品名を出すこと自体が対象になり得ます。

この条文が直接対象にしているのは医薬品・医療機器・再生医療等製品のうち承認・認証を要するものであり、化粧品や医薬部外品は薬機法上の扱いが異なります。自社商材がどの区分に当たるかをまず確認し、承認前の段階でSNS告知を行いたい場合は、投稿内容が名称・製造方法・効能・効果・性能のいずれかに触れていないかを一つずつ確認したうえで、判断に迷うときは法務・薬事の担当部署や専門家へ事前に相談する運用が安全側です。

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第66条が禁止する「虚偽又は誇大な広告」の考え方

虚偽又は誇大な広告とは、名称・製造方法・効能・効果・性能について、事実と異なる内容や、実際の効果を超えて大きく見せる内容を、明示的か暗示的かを問わず広告・記述・流布することを指します。

この条文の対象行為は「広告」「記述」「流布」の三つに分かれており、いずれか一つに該当すれば規制の範囲に入ります。SNSの投稿文だけでなく、画像に添えたテキスト、コメント欄での回答、プロフィール欄の説明文もこの「記述」に含まれ得るため、投稿本文だけを確認して終わりにしないことが大切です。

もう一つ押さえておきたいのが、第66条第2項です。e-Gov法令検索の同法によれば、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、第1項に該当するものとされています。医療従事者が個人の見解として発信した内容を企業アカウントが引用・転載する際は、その発信が特定商品の効能効果について太鼓判を押しているように読めないかを確認する必要があります。

SNS投稿で注意したい表現パターン

SNS投稿で注意すべき表現パターンとは、医薬品等適正広告基準が類型として示す禁止表現のうち、投稿文やキャプションで特に使われやすいものを指します。

次の表は、同基準の「第3」で示されている類型のうち、SNS運用の現場で実際に手が止まりやすいものを整理したものです。右列の具体例はいずれも書き方を示すための仮の例であり、実在する投稿や商品を指すものではありません。

表現カテゴリ 基準上の該当区分 投稿文での具体例(仮の例) 判断のポイント
効能効果・安全性を保証する表現 第3の3(6) 保証する表現の禁止 「このアイテムを使えば必ず肌質が変わります」 断定的な保証の言い回しがあるかどうかで判断し、打消し表現の有無では解消しない
最大級の表現 第3の3(7) 最大級の表現の禁止 「業界最高峰の仕上がり」「日本一選ばれている美容液」 客観的な裏付け資料の有無にかかわらず、最大級またはこれに類する表現自体が対象になる
速効性・持続性の誇張 第3の3(8) 効能効果の発現程度 「たった1日で効果を実感」「一度の使用で一生持続」 医学薬学上認められている範囲を超える速効性・持続性の表現かどうかを確認する
本来の効能効果と認められない表現 第3の3(9) 化粧品としての承認範囲を超えて「アンチエイジング効果」を謳う 自社商材の承認・届出区分で認められている効能効果の範囲内かを確認する
名称・製造方法の誤認表現 第3の1・2 実際とは異なる製造方法や成分をうたう表現 承認を受けた販売名・実際の製造方法や成分表示と投稿内容が一致しているかを確認する

この表に挙がった五つは、いずれも「言い切りの強さ」が判断の分かれ目になります。投稿を作成する段階で、効能効果に関わる一文だけを抜き出して読み返し、断定・保証・最大級のいずれかに当てはまらないかを自己点検する習慣をつけると、承認者に回す前の段階で多くを削れます。

SNSの投稿はテキストの分量が限られるため、効能効果を短い言葉で強く伝えようとするほど、表に挙げた保証的な表現や最大級の表現に寄りやすくなります。長文の広告であれば「個人の感想であり効果を保証するものではありません」のように前後に説明を挟める場面でも、短い投稿文では言い切りの一文だけが残りやすい構造です。投稿の下書きを作る段階から、文字数の制約を理由に断定的な言い回しへ寄せない、という意識を持っておくと、あとからの修正が減ります。

「効果には個人差があります」と添えれば投稿は安全になるか

打消し表現とは、効果を強調する記載の直後に「効果には個人差があります」などの一文を添えて、誤解を防ごうとする書き方を指します。

結論としては、打消し表現を添えるだけでは前段の表で挙げた保証的な表現の問題は解消しません。医薬品等適正広告基準の「第3の3(6)」は、具体的効能効果等又は安全性を摘示して、それが確実である保証をするような表現そのものを禁止しており、そのあとに個人差を断る一文があるかどうかを問うていません。「必ず」「絶対に」といった言葉は使わない、というのがこの基準の考え方です。断り書きを直後に添えても、これらの言葉自体は本文に残ります。

実務で現実的な対応は、保証的な言葉を使わずに書き直すことです。「必ず肌質が変わります」ではなく「使用方法や使用感については公式サイトの説明をご確認ください」のように、効能効果そのものを断定せず、確認できる情報源へ読者を誘導する書き方に置き換えると、打消し表現に頼らずに済みます。

インフルエンサー投稿やUGCの引用・リポストにも確認は必要か

UGC(ユーザー生成コンテンツ)の引用・リポストとは、企業アカウントが第三者の投稿を自社のフィードやストーリーズで再掲する行為を指します。

第66条第1項の名宛人は「何人も」であり、企業が自ら書いた文章に限定されていません。第三者の投稿であっても、企業アカウントがそれを広告・記述・流布する行為をした時点で、その企業自身が条文の対象になり得ます。インフルエンサーが「これを使ったら一晩で変わった」と投稿した内容を、企業アカウントが公式にリポストした場合、リポストという行為そのものが「流布」に当たるかどうかを確認する視点が必要です。

実務での対応としては、インフルエンサーへ依頼する段階で、前段の表に挙げた表現カテゴリを含む投稿案は事前に社内でも目を通す運用にしておくことが現実的です。あわせて、PR表記の要否は薬機法とは別の論点になるため、企業SNSのステマ規制対応で扱った社内チェックの作り方と合わせて運用すると、依頼から公開までの確認が一本化できます。写真や動画そのものの二次利用に関する確認は企業SNS投稿の著作権・肖像権チェック手順が参考になります。

社内でSNS投稿を確認する体制をどう作るか

社内の確認体制とは、投稿作成者・承認者・法務やコンプライアンス担当・棚卸担当という役割ごとに、いつ何を確認するかを分担し、確認した記録を残す仕組みを指します。

体制を作る出発点は、確認する人を「承認者」一人に集約しないことです。承認者が公開の可否だけを見る立場になると、効能効果の表現が薬機法の区分に照らして妥当かどうかまでは見きれません。表現の可否と、区分ごとの妥当性の確認は、別の役割として分けておくほうが実務では回ります。

役割 確認するタイミング 確認する内容 記録として残すもの
投稿作成者 下書きを作成した時点 前段の表に挙げた表現カテゴリに該当する言い回しがないかの自己点検 自己点検を行った旨のチェック欄への記入
承認者 公開する直前 効能効果・安全性に関わる表現、価格表示との整合 承認した日時と承認者名
法務・薬事担当 新商品や新しい言い回しを使う投稿の公開前 商材の承認・届出区分と投稿の効能効果表現が対応しているか 確認結果と参照した根拠資料
棚卸担当 四半期に一度 過去の投稿に前段の表の該当パターンが残っていないか 点検記録と是正した投稿の一覧

四つの役割は必ずしも四人である必要はなく、人数が少ない会社では兼務でも構いません。重要なのは、投稿作成者の自己点検だけで完結させず、承認者以外の目で区分の妥当性を確認する工程を一つ挟むことです。承認フローそのものの作り方は企業SNS運用ガイドラインの作り方で扱っているため、この記事では薬機法に関わる確認項目に絞って説明します。

新しく投稿作成者になった担当者への引き継ぎも、体制づくりの一部です。表現カテゴリの一覧を渡すだけでなく、過去に差し戻しになった投稿の実例(社内に残っている記録の範囲で構いません)を一緒に見せると、どの程度の言い回しが差し戻しの対象になるのかという感覚をつかみやすくなります。感覚に頼った判断を避けるため、迷ったときは自己判断で公開せず承認者や法務・薬事担当に確認する、という一文を運用ルールに明記しておくと、新任担当者が一人で抱え込む状況を防げます。

投稿前チェックリストの運用フロー

投稿前チェックリストとは、公開前の投稿文を前段の表現カテゴリと照らし合わせ、該当箇所があれば承認前に差し戻すための確認手順を指します。

チェックリストは項目数を絞るほど続きます。最低限として、次の五項目があれば運用を始められます。

  • 投稿する商材が薬機法上のどの区分に当たるか(対象外の商材であればその旨を記録)
  • 効能効果・安全性について、太鼓判を押すような言い切りになっていないか
  • 最大級の表現、または速効性・持続性を誇張する表現がないか
  • 承認・届出を受けた効能効果の範囲を超えていないか
  • 第三者の投稿を引用・リポストする場合、その投稿自体に前段のいずれかが含まれていないか

仮の例として、投稿前チェックの記入例を一つ挙げます(架空の設定です)。対象投稿=新発売の化粧水を紹介するフィード投稿/商材区分=化粧品として届出済み/自己点検=「肌がワントーン明るくなる感触があります」に表現を修正し、断定的な効能表現を削除/承認者確認=2026年9月20日に広報部マネージャーが承認/法務確認=価格訴求を伴わないため今回は法務確認を省略、次回の新表現追加時に確認予定。この記入例のように、確認を省略した理由まで記録しておくと、あとから振り返ったときに判断の根拠をたどれます。

運用代行会社・外注先とのチェック分担の決め方

外注先とのチェック分担とは、投稿文の作成や効能効果表現の一次チェックのうち、どこまでを委託先が担い、どこからを発注者側が確認するかをあらかじめ契約と運用ルールの双方で決めておくことを指します。

薬機法上の責任は、投稿を実際に広告・記述・流布した主体に及びうるため、運用を委託しているからといって発注者側の確認が不要になるわけではありません。委託先に一次チェックを任せる場合でも、前段の表に挙げた表現カテゴリと、自社商材の承認・届出区分の対応表は発注者側が用意し、委託先と共有しておく形が現実的です。

契約段階での確認事項はInstagram運用代行の契約前チェックリストにまとめてあります。契約条件で見落としやすい点、たとえば公開前の最終確認を発注者・委託先のどちらが担うかを契約書に明記しておくことはSNS運用代行の契約で失敗しない注意点12選でも扱っている観点です。特に美容・健康関連の商材を扱う企業は、委託先の担当者が交代するたびにこの分担が引き継がれているかを確認しておくと、担当者の交代を機に表現チェックが抜け落ちる事態を防げます。

委託先へ渡す資料としては、自社商材の承認・届出区分の一覧、前段の表現カテゴリ一覧、そして過去に差し戻しになった表現の記録の三点が最低限になります。これらを契約開始時に一度渡して終わりにせず、商材のラインアップが変わるたびに更新して共有することで、委託先の担当者が変わっても確認の水準を維持しやすくなります。

過去の投稿を点検し、疑わしい表現を是正する手順

過去投稿の点検とは、すでに公開済みの投稿を対象に、前段の表現カテゴリに該当する言い回しが残っていないかを定期的に確認し、該当があれば修正または削除する作業を指します。

新規投稿のチェック体制を整えても、過去に公開した投稿がそのまま残っていれば確認済みとは言えません。四半期ごとの棚卸のタイミングで、直近一年分の投稿を対象に、前段の表の五カテゴリに該当する表現がないかを見直す運用が現実的です。件数が多い場合は、効能効果に触れている投稿だけを先に抽出し、そこから優先的に点検すると作業量を絞れます。

点検の結果、該当する表現が見つかった場合は、投稿を削除するだけでなく、なぜその表現が生まれたのか(チェックリストの何が抜けていたのか)を記録しておくと、同じパターンの再発を防ぐ材料になります。社外からの指摘や炎上に発展した場合の初動対応は企業SNS炎上を防ぐ7つの対策で扱っている対応フローに沿って進めると、判断する人と連絡先の並びで迷いにくくなります。

美容や医療に関わる業種のアカウントを運用している場合、業種特有の投稿の作り方自体を見直す機会にもなります。美容サロンのInstagram集客方法や歯科医院のInstagram運用・SNS集客術、医療クリニックのInstagram集客術のように施術や治療の効果に触れやすい業種ほど、表現チェックの頻度を上げておくと安全側に倒せます。景品類を伴うキャンペーンを同時に実施する場合は、薬機法とは別の論点としてSNSプレゼントキャンペーンと景品表示法もあわせて確認してください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 薬機法の対象は化粧品や医薬品を扱う会社だけですか。
医薬品等適正広告基準が対象とするのは医薬品、医薬部外品、化粧品、医療用具(医療機器)の広告です。これらの区分に当たらない一般消費財を扱う会社であれば、この基準そのものは直接の対象になりません。ただし、健康や美容に関連する商材を扱う会社では、自社商材がどの区分に当たるかを確認しないまま投稿していることも珍しくないため、まず区分の切り分けから始めることをおすすめします。
Q2. 「効果には個人差があります」と一言添えれば、効能効果を強調した投稿でも問題ありませんか。
医薬品等適正広告基準第3の3(6)は、効能効果等や安全性を保証するような表現そのものを禁止しており、断り書きの有無を条件にしていません。「必ず」「絶対に」といった言葉自体を使わないことが基準の求める対応であり、個人差を断る一文を添えることを条件にした例外は用意されていません。その後にどれだけ断り書きを重ねても、保証的な表現という性質は変わりません。断定的な言葉を避けて書き直すほうが実務的な対応になります。
Q3. 自社製品ではなく他社製品を紹介する投稿にも薬機法は関係しますか。
薬機法第66条第1項は「何人も」を名宛人としており、自社製品の広告に限定されていません。他社製品を紹介する投稿やインフルエンサーの投稿を企業アカウントがリポストする行為も、広告・記述・流布のいずれかに当たると判断されれば対象になり得ます。第三者の投稿を再掲する前に、その投稿自体に保証的な表現や最大級の表現が含まれていないかを確認する工程を挟んでおくと安全です。
Q4. SNS運用を代理店に委託していれば、表現チェックの責任は代理店側にありますか。
薬機法第66条は投稿を実際に広告・記述・流布した主体を対象にする条文であり、委託しているかどうかで発注者側の確認義務が自動的になくなるわけではありません。委託先に一次チェックを任せる場合でも、自社商材の承認・届出区分と、禁止される表現カテゴリの対応表は発注者側が用意し、契約書や運用ルールで確認の分担を明記しておくことが実務的な対応になります。
Q5. 投稿担当者が変わったときに、まず何を引き継げばよいですか。
自社商材が薬機法上のどの区分に当たるか、承認・届出を受けている効能効果の範囲、そして過去に差し戻しになった表現の一覧の三つです。表現カテゴリの一覧を毎回一から説明するより、記事内の表をそのまま引き継ぎ資料として使うほうが、新しい担当者が自己点検できるようになるまでの期間を短縮できます。
Q6. 過去の投稿をすべて点検する時間がありません。どこから手をつければよいですか。
全件を一度に見直そうとせず、効能効果や安全性に触れている投稿だけを先に抽出して優先的に点検する方法が現実的です。四半期ごとの棚卸のタイミングに合わせて直近一年分から着手し、該当する表現が見つかった場合はチェックリストのどの項目が抜けていたのかも記録しておくと、次回以降の点検範囲を絞り込みやすくなります。

まとめ:区分の確認・表現の自己点検・体制づくりの三段階で進める

企業SNS投稿の薬機法チェックは、自社商材が対象区分に当たるかどうかの確認、効能効果や安全性に関する表現の自己点検、そしてそれを承認者だけに任せない社内体制づくりという三段階で進めると、特別な専門知識がなくても着手できます。医薬品等適正広告基準が示す保証的な表現・最大級の表現・速効性や持続性の誇張という三つのパターンを押さえておけば、投稿作成の段階で気づける表現は増えます。

一方で、区分の判断や個別の投稿が違反にあたるかどうかの最終確認は、社内の法務・薬事担当や外部の専門家に相談する場面が出てきます。運用代行会社に依頼している場合も、確認の分担をどちらが担うかを契約段階で明確にしておくことが、公開後のトラブルを防ぐ土台になります。承認前の新商品情報のように、名称や効能効果に触れること自体が制限される場面もあるため、発売告知のタイミングと投稿内容は分けて検討してください。

自社のSNS運用体制に薬機法の確認工程を組み込みたい場合や、現在の投稿チェック体制に不安がある場合は、現状の運用フローを添えてご相談ください。

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