保育園・幼稚園のInstagram運用|子どもの写真の同意と保護者・採用向け投稿の型

保育園・幼稚園のInstagram運用|子どもの写真の同意と保護者・採用向け投稿の型
📅 公開日: 2026年10月26日🔄 最終更新: 2026年10月30日

保育園・幼稚園のInstagramは、投稿を読む相手(入園を検討する保護者、在園の保護者、採用を考えている人)を分け、子どもが写る素材は保護者の同意と公開の範囲を決めてから使い、子どもが特定できない素材を中心に投稿の型を組むと、運用の迷いが少なくなります。本人が判別できる映像は個人情報に当たるとされており、こども家庭庁と文部科学省は、保育所や幼稚園などが子どもの画像をホームページ等に載せる際に、子どもの権利を守る観点から十分な配慮が必要だとしています。

この記事は、保育園・幼稚園・認定こども園の園長や広報担当者、運営法人のSNS担当者に向けて書いています。扱う内容は、投稿の型と読者の対応、子どもの写真の同意の取り方、公開してはいけない画像、写り込みを避ける撮り方、保護者・職員・採用候補者それぞれに向けた投稿の注意、投稿前の確認体制です。根拠は、個人情報保護委員会の個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)とQ&A、同委員会が令和8年の改正法について公表した概要資料です。加えて、こども家庭庁と文部科学省の事務連絡(令和6年5月7日付け)、こども家庭庁が公開する保育所保育指針、e-Gov法令検索の児童福祉法と職業安定法を使いました。いずれも2026年10月22日に実際に開いて確認できた記載に限っています。Instagramのヘルプセンターは今回の確認では内容を取得できなかったため、Instagramの個別の機能や設定の名前は書いていません。法令の当てはめは園の種類や自治体によって変わるため、判断に迷う場合は園を所管する自治体の窓口や専門家にご確認ください。文中の投稿例や記入例は、手順を説明するための「仮の例」であり、実在の園や子どもの話ではありません。

目次

最初に決めること|入園検討・在園・採用の三つの読者を分ける

保育園・幼稚園のInstagramで最初に決めることは、投稿を読む相手を「入園を検討する保護者」「在園の保護者」「採用を考えている人」のどれに置くかであり、読者によって知りたい情報も、載せてよい子どもの情報の範囲も変わります。

入園を検討する保護者が知りたいのは、園の保育の考え方、一日の流れ、園庭や保育室の環境、見学の申し込み方法です。在園の保護者が知りたいのは、行事の準備の様子や給食の雰囲気ですが、欠席・持ち物・個別の連絡のような内容は、公開の投稿ではなく、園が決めた連絡手段で伝えるものです。採用を考えている人は、職員がどんな仕事をしているか、職場の雰囲気、見学や応募の方法を見ています。同じ投稿ですべてに答えようとすると、どの読者にも届きにくく、子どもの写真だけが増えていきます。

保育所保育指針は、保育所は地域社会との交流や連携を図り、保護者や地域社会に、その保育所が行う保育の内容を適切に説明するよう努めなければならないと定めています(第1章 総則の1の(5)のイ)。園のInstagramは、この説明の手段の一つとして位置づけられます。一方、同じ指針は、日々の保育に関連した機会を活用した子どもの日々の様子の伝達を、保護者との相互理解を図る取り組みとして挙げています(第4章 子育て支援の2の(1)のア)。在園の保護者に子どもの日々の様子を伝える場面は、公開のアカウントとは分けて考えるほうが、載せる情報を絞れます(保育所保育指針)。なお、この指針は保育所について定めたものです。幼稚園や認定こども園が従う要領は今回の確認では本文を開いていないため、この記事では触れていません。

そのうえで、アカウントの主な読者を一つに決め、役割を一文で書き出します。たとえば仮の例として「園の保育の考え方と一日の流れを、入園を検討する保護者に伝える」と決めておけば、投稿の企画で迷ったときに、役割に合うかどうかで判断できます。プロフィール欄には、園名、所在地、見学の連絡方法といった基本の情報だけを置き、子どもの様子は投稿の内容で伝えます。

投稿の型と読者の対応表|園の一日・行事・給食・職員紹介・見学案内・採用

投稿の型とは、入園を検討する保護者・在園の保護者・採用を考えている人が知りたい点に一つずつ答える投稿の形であり、型ごとに子どもを写さない素材を決めておくと、同意の確認が必要な投稿を減らせます。

次の表は、六つの型について、読者ごとに何が伝わるか、在園の保護者に向けるときの扱い、子どもを写さずに作れる素材の例を整理した、この記事の編集部の整理です。公的な資料が定めた分類ではありません。

投稿の型 入園を検討する保護者に伝わること 在園の保護者に向けるときの扱い 採用を考えている人に伝わること 子どもを写さない素材の例
園の一日 登園から降園までの流れと、保育の考え方 連絡事項ではなく、雰囲気の紹介にとどめる 一日の中で職員がどう動くか 園庭の遊具、無人の保育室、一日の流れを示すイラスト
行事 季節の行事の目的と、準備の進め方 当日の写真は、同意の範囲と公開の範囲を確認してから使う 行事の準備を職員がどう分担するか 飾り付け、会場の設営、プログラムの案内文
給食・食育 食事で大切にしている考え方 個別のアレルギーへの対応は載せない 調理や食育を担当する職員の仕事 盛り付けた皿、調理室の道具、献立の説明文
職員紹介 子どもに関わる職員の人柄と保育の考え方 職員の写真や氏名は、本人の同意を得てから出す 職場の雰囲気と、働く人の考え方 職員の手元、後ろ姿、本人が同意した写真と本人が書いた一言
見学・入園の案内 見学の申込方法と、入園までの流れ 在園の保護者には届け先が異なるため、変更の連絡は園の連絡手段で伝える この型は採用には直接つながらない。職場見学は採用の型で扱う 案内図、申込方法を書いた画像、玄関の外観
採用 職員の働き方から、保育の考え方が伝わる 保護者向けの連絡とは混ぜず、募集の投稿として独立させる 仕事内容、職場見学、応募の方法 職員室の様子、制作物の準備、募集要項のページへの案内

六つの型は、表の右端の素材を使えば、いずれも子どもを写さずに作れます。行事と園の一日は、子どもが写る場面を使いたくなりますが、飾り付けや園庭の風景から入ると、同意の確認が必要な写真を絞れます。各投稿の冒頭には、読者が最初に知りたい答えを一文で置きます。仮の例として、園の一日の投稿なら次のような書き出しです。

「園庭の砂場に、バケツとスコップが並んでいます。この投稿では、園庭の遊具と、見学で見ていただける場所をご紹介します。見学のお申し込みは、お電話で受け付けています。」

この例は、子どもや職員を写さず、見学の連絡方法まで読者が一度で分かる書き出しにしたものです。園の名前や電話番号の表示は、実際の園の情報に合わせて載せます。

子どもの写真は何が個人情報か|本人が判別できる映像の考え方

個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、防犯カメラに記録された情報等の本人が判別できる映像情報を個人情報に該当する事例として挙げており、園の写真や動画も、本人が判別できるものは同じ考え方で扱うのが安全です。

ガイドライン(通則編)は、個人情報に該当する事例として、本人が判別できる映像情報のほか、ホームページやSNS等で公にされている特定の個人を識別できる情報も挙げています(ガイドライン(通則編)の「個人情報」の項)。公開の場に出た情報であっても個人情報に当たる事例があるため、「すでに公開されているから自由に使える」とは考えないでください。保育所保育指針も、保育所は入所する子ども等の個人情報を適切に取り扱うとしています(第1章 総則の1の(5)のウ)。

個人情報保護委員会のQ&Aには、会社の行事で撮影された写真を社内で展示する場合の回答があります。本人を判別可能な写真の画像は個人情報に該当するが、個人データではないと解されるため、あらかじめ本人の同意を得ずに展示等を行っても、法第27条第1項に違反するおそれはないと解されるとしています。ただし、利用目的を通知または公表することは必要だとしています。そのうえで、プライバシーの権利や肖像権の侵害に当たる場合もあるため、展示期間を限定したり、不特定多数の者への提供に際しては自主的に本人の同意を得たりする取組が望ましいと考えられる、とも述べています(個人情報保護委員会 個人情報保護法に関するQ&AのQ7-11)。この回答は社内展示についてのものです。園のInstagramの公開投稿は不特定多数が見られる状態にあたるため、編集部は、後半の「自主的に本人の同意を得る」側の考え方を当てはめて運用するのが妥当だと整理しています。子どもは本人が同意の結果を判断できないため、同意は次の節のとおり親権者から得ます。

「判別できるかどうか」は、顔だけでは決まりません。次のような手がかりが写真や文章に残っていないかを、投稿前に点検します。

  • 名札、名前の書かれた持ち物、園名の入った帽子や服
  • 動画の中で名前を呼ぶ声
  • 投稿文に書いた学年、クラス名、特徴的な出来事
  • 背景に写った保護者や兄弟姉妹

この点検の考え方は、編集部が上のガイドラインの事例から当てはめたものです。あわせて、子どもの発達や健康に関する情報には注意が必要です。ガイドラインは、要配慮個人情報を取得する場合には、例外を除き、あらかじめ本人の同意を得なければならないとし、その内容として、身体障害・知的障害・精神障害(発達障害を含む)があることや、医師等による健康診断等の結果などを挙げています(ガイドライン(通則編)の「要配慮個人情報」の項)。公開の投稿では、子ども個人の発達や健康、食物アレルギーの有無といった情報を、食育や行事の話題でも書かない運用にしておきます。

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写真の同意の取り方|親権者から、目的と公開の範囲を分けて確認する

子どもの写真の同意は、同意の結果を本人が判断できない場合に親権者や法定代理人などから得る必要があるとガイドライン(通則編)が示しているため、園では保護者から、掲載する場所と素材と期間を分けた書面で取るのが基本です。

ガイドライン(通則編)は、個人情報の取扱いに関して同意したことによって生ずる結果について、未成年者などが判断できる能力を有していないなどの場合は、親権者や法定代理人等から同意を得る必要があるとしています(ガイドライン(通則編)の「本人の同意」の項)。就学前の子どもは、この考え方からすると、保護者から同意を得る場面にあたると考えられます。そのうえで、同意の前提として、利用目的を伝える必要があります。

この点は、令和8年7月17日に公布された改正法で明文化される予定です。個人情報保護委員会の概要資料によると、改正法は、16歳未満の者が本人である場合に、同意取得や通知等について本人の法定代理人を対象とすることを明文化し、未成年者の個人情報等の取扱いについて、本人の最善の利益を優先して考慮すべき旨の責務規定を設けるとしています。現行のガイドラインとQ&Aの記載については、一般的には12歳から15歳までの年齢以下の子供の場合には法定代理人等から同意を得る必要があるとされている、と同じ資料が説明しています。施行期日は原則として公布の日から起算して2年を超えない範囲内とされ、政令・規則・ガイドライン等は整備の検討が続いています(個人情報保護法等の一部を改正する法律について、令和8年 改正個人情報保護法のページ、2026年10月22日確認)。細かな要件は今後の政令や規則で決まるため、園の同意書は、保護者(法定代理人)を同意の主体とする書き方で作っておくと、改正の方向に合わせやすくなります。なお、概要資料は、法定代理人の関与と責務の規定について、行政機関等にも同様の改正を行うとしています。

同じガイドラインは、利用目的をできる限り具体的に特定することを求め、特定していない事例として「事業活動に用いるため」「マーケティング活動に用いるため」を挙げています。また、申込書や契約書など、本人から直接書面で個人情報を取得する場合は、あらかじめ本人に利用目的を明示しなければならず、事例に申込書・契約書等を本人から直接取得する場合が挙がっています。「広報のため」という書き方も抽象的で、編集部は具体的に書き直すよう勧めます。仮の例として「園の保育の様子を、園のInstagramとホームページで、入園を検討する方や保護者の方にお伝えするため」のように、媒体と目的を書きます。入園の申込書や入園のしおりに、この目的を書いた同意の欄を置くのが取得の場面に合っています(ガイドライン(通則編)の「利用目的の特定」「直接書面等による取得」の項)。

利用目的の公表の方法として、ガイドラインは、自社のホームページのトップページから1回程度の操作で到達できる場所への掲載や、顧客が訪れることが想定される場所でのポスター等の掲示を事例に挙げています。園にあてはめるなら、園のホームページや玄関の掲示に、写真の取扱いの方針を置くことが考えられます。また、あらかじめ本人の同意を得ないで、特定した利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱ってはならないとされています(同ガイドラインの「利用目的の通知又は公表」「本人の同意」の項)。そのため、入園時に「保育の記録のため」とだけ伝えた写真をあとからInstagramに使うときは、掲載の目的を改めて伝えて同意を取る手順を用意します。

次の表は、同意書や申込書に入れる確認項目を、編集部が整理したものです。この七つの項目は法令が一覧で定めたものではなく、上のガイドラインと、実務で迷いやすい点を組み合わせた当てはめです。

確認する項目 同意書・申込書に書く内容の例 決めておく理由
掲載する場所 Instagram、園のホームページ、園内の掲示、園だよりのうち、どれに載せるか 場所によって見られる範囲が違うため、場所ごとに選べるようにする
掲載する素材 写真、動画、氏名、学年のうち、どれを載せるか 氏名や学年は、写真と組み合わさると判別の手がかりになる
利用目的 保育の様子を、誰に何のために伝えるか 目的が抽象的だと、後から範囲を超えた利用になりやすい
掲載期間 掲載を続ける期間と、退園・卒園のときの扱い 期間を限定する取組が、Q&Aでも望ましいとされている
同意しない場合の扱い 同意しない家庭の子どもは写さない・載せない運用であること 同意しない選択ができることを、書面で分かるようにする
同意の変更・削除の連絡先 変更や削除を伝える窓口と連絡手段 保護者が後から気持ちを変えたときに、受け付ける先を一つにする
記録の管理 同意の内容と日付を台帳に残し、更新する担当を決める 誰が何に同意しているかを、投稿の担当者が投稿前に確かめられるようにする

同意しない家庭への対応は、園の運用で迷いやすい点の一つです。同意が取れていない子どもが写った写真は公開用に使わない、という運用を先に決めておくと、現場で判断に迷いません。未成年の子どもの同意書の項目の整理は、学習塾のInstagram運用を扱った記事でも、同じ考え方で扱っています。

公開してはいけない画像と撮り方|性的な部位を含む画像等と、園の管理下での撮影

こども家庭庁と文部科学省は、令和6年5月7日付けの事務連絡で、保育所・幼稚園・認定こども園などに注意喚起しています。こどもの性的な部位(性器・肛門・これらの周辺部、臀部又は胸部)を含む画像等をホームページ等に掲載して不特定・多数の者が閲覧可能な状態にすることは問題であり、残っていれば至急削除するよう求める内容です。

この事務連絡の題名は、「保育所等のホームページにおけるこどもの性的な部位を含む画像等の掲載等について(注意喚起)」です。対象は、保育所、地域型保育事業所、認可外保育施設、認定こども園及び幼稚園で、各施設がホームページ等を改めて確認し、そうした画像等が残っている場合は至急削除するよう求めています。さらに、「刑法の改正等に伴う保育士の欠格事由の追加等について」(令和5年7月13日)の通知を引いています。そのうえで、正当な理由があって撮影されたものであっても、撮影者や掲載者の意図にかかわらず、わいせつな目的で利用される場合があることに十分に配慮し、閲覧可能な者の範囲等が適切になるよう特に慎重に検討する必要があるとしています。不特定・多数の者が閲覧できる状態にしないことはもとより、その園の保護者に閲覧できる者が限定される場合を含めて、不適切な使用がなされないようにすることとされています(事務連絡と別添の通知の留意事項)。

この別添の通知は、保育所等で保育士が子どもの様子を撮影・記録等するときは、保育所等の管理下において適切に行う必要があるとも示しています。園の運用に当てはめると、撮影する端末、保存する場所、職員の私物の端末で撮影してよいかどうかを、園として決めておくことになります。決め方の詳細は園の規模や運営形態で変わるため、法人の規程や自治体の窓口の案内に合わせてください。

事務連絡の対象はホームページ等で、Instagramの個別の名前は挙げていませんが、Instagramの公開の投稿も、不特定多数の人が見られる点はホームページと同じです。編集部は、次の場面を公開用には撮らない・載せないと決めておくことを勧めます。事務連絡が具体的な場面を挙げているわけではなく、性的な部位が写りやすい場面として、編集部が整理したものです。

  • 着替え、おむつ替え、トイレの場面
  • 水遊びやプールで、肌の露出が多い場面
  • 午睡の場面
  • 子どもが無防備な姿勢のまま撮られている瞬間

すでにアカウントを運用している園は、新しい投稿の運用を決める前に、過去の投稿を最初から見直します。事務連絡は、すでに掲載した画像等が残っていないかを確認し、残っていれば削除するよう求めているため、過去の投稿の見直しは、投稿の型を整える前の最初の作業になります。

顔が分からない撮り方|写り込み・背景・位置が分かる情報を避ける

顔が分からない撮り方とは、後ろ姿・手元・遠景・無人の場面を使い、同意が取れていない子どもや保護者が写り込まないよう、撮影の前に構図と背景を決めておく方法です。

運動会を例に考えます。園庭を遠くから撮ると、走っている子どもは小さく写りますが、衣装、帽子、持ち物、保護者席の様子から誰か分かることがあります。撮る前に、撮影する位置、写してよい範囲、同意が取れていない子どもの場所を、職員同士で確かめておきます。撮ったあとは、撮影した本人ではなく別の職員が、手がかりが残っていないかを見ます。撮った本人は、自分が見ていた場面の記憶で補ってしまい、写り込みを見落としやすいためです。

顔にスタンプをのせたり、ぼかしを入れたりした画像も、それだけで判別できなくなるとは限りません。先に見たガイドライン(通則編)が示すのは、本人が判別できるかどうかです。衣服、持ち物、体格、一緒に書いた文章から分かる場合は、加工をしても点検の対象に残します。判別の手がかりが多く残る写真は、加工で直すより、別のカットに差し替えるほうが、点検の手間が減ります。写り込みと肖像権の確認の手順は、企業SNS投稿の写り込みと肖像権の確認手順をまとめた記事で整理しています。

写真以外にも、位置や日課が分かる情報には気をつけます。園外活動の行き先や時間、散歩の道、送迎の時間帯、門の出入りの様子は、子どもの安全に関わります。園外活動の投稿は、活動が終わってから載せる運用にしておくと、リアルタイムの居場所を公開せずに済みます。園の外観や所在地は、見学を案内する投稿に必要な情報として、必要な範囲で載せます。

在園の保護者に向けた投稿の運用|行事・給食・連絡事項の線引き

在園の保護者に向けた投稿は、行事や給食の雰囲気を伝える内容に限り、連絡事項や子ども個人の様子は園が決めた連絡手段で伝えると決めておくと、公開の場に載せる情報を減らせます。

保育所保育指針は、子どもの利益に反しない限りにおいて、保護者や子どものプライバシーを保護し、知り得た事柄の秘密を保持することを、子育て支援に関して留意すべき事項に挙げています(第4章 子育て支援の1の(2)のイ、保育所保育指針)。公開のInstagramに、子どもの欠席、けが、友だち同士のトラブル、家庭の事情を書かないのは、この趣旨に沿った運用です。個別の連絡は、園が従来使ってきた連絡手段に分け、Instagramには載せません。

行事の写真は、保護者が楽しみにしている素材の一つです。同意が取れている範囲で、後ろ姿や手元、遠景を使います。仮の例として、行事の準備を知らせる投稿は次のような書き方です。

「園庭では、運動会の準備が進んでいます。紅白の玉入れのかごとコーンが並び、飾り付けが少しずつ増えています。当日のご案内は、これまでと同じ方法でお知らせします。」

この例は、子どもを写さず、連絡事項は園の別の手段で行うことを一文で添えています。当日に載せる投稿も、確認者が確かめてから公開する前提にします。当日の速報として載せたくなりますが、同意の台帳と照らす手順が飛ばされやすいため、投稿は確認が済んでからにします。

保護者が撮った行事の写真に他の子どもが写る場合も考えておきます。園が配る案内に、他の子どもが写る写真や動画をSNSに載せることは控えるよう、お願いの一文を添えておくと、園の同意の手順が保護者の投稿で崩れにくくなります。この呼びかけは法令の義務ではなく、編集部が運用上のお願いとして整理したものです。

職員紹介と採用向けの投稿|職員の同意と、募集情報を正確に保つ

採用向けの投稿では、職員の写真や氏名を載せる前に本人の同意を取り、募集の条件は募集要項と同じ内容を正確かつ最新に保つことが基本であり、職業安定法第5条の4は、労働者の募集を行う者が広告等で募集情報を提供するときに、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示をしてはならないと定めています。

職業安定法第5条の4は、公共職業安定所、職業紹介事業者、労働者の募集を行う者などが、広告等により求人や労働者の募集に関する情報を提供するときは、その情報について虚偽の表示または誤解を生じさせる表示をしてはならないと定めています。さらに、労働者の募集を行う者は、広告等により提供する募集に関する情報を、正確かつ最新の内容に保たなければならないとされています。同条にいう「広告等」には、厚生労働省令で定める方法も含まれると書かれており、園のInstagramの投稿がこれに当たるかどうかは、今回の確認では条文の本文だけでは確かめられていません。そのため、編集部は、募集に関する投稿は、募集要項のページと同じ水準で正確で最新の内容にする前提で運用するよう勧めます(職業安定法第5条の4)。

実務では、給与・勤務時間・休日などの条件を投稿の画像に書くと、募集要項を直したときに投稿だけが古い内容のまま残ります。条件は募集要項のページに集め、投稿は仕事内容や職場の雰囲気を伝えて募集要項のページへ案内する形にすると、古い内容が残りにくくなります。募集を終えた投稿は、募集を終了したことを追記するか、非公開にします。採用向けの投稿で守ることは、介護施設のInstagram運用を扱った記事でも、求人の表示と職員の写真という形で整理しています。

職員が写る写真や氏名も個人情報です。ガイドライン(通則編)の考え方は、子どもだけでなく職員にも当てはまり、職員の写真や氏名を載せる場合は、利用目的を伝え、本人の同意を得たうえで、載せる場所と期間を決めます。退職したときの扱いも、同意書に書いておくと、掲載をいつまで続けるかで迷いません。

職員の声を載せるときは、実在する職員が自分の言葉で書いた内容を、本人が確認してから載せます。園が文章を作って職員の発言のように見せることは、事実と異なる印象を与えるため、避けます。また、保育士は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならず、保育士でなくなった後も同様とされています(児童福祉法第18条の22)。職員が個人のアカウントで園の様子や子ども、家庭の話を書かないよう、社内のルールを作っておきます。個人のSNS利用のルールの作り方は、社員の個人SNS利用ルールの作り方をまとめた記事で扱っています。

コメント・DM・削除の依頼への対応|受付の窓口を決めておく

コメントやDMへの対応では、返信してよい内容、個人情報を受け取らない案内、削除を求められたときの受付と記録の手順を、投稿を始める前に決めておきます。

見学や入園についての質問がコメントやDMで届いたら、電話や問い合わせの窓口を案内し、子どもの名前、年齢、アレルギー、家庭の事情をやり取りの中で受け取らない運用にします。公開のコメント欄に個人情報が書かれると、削除や対応の手間が増えるためです。申込の情報は、利用目的を明示した申込書や入力フォームで受け取るほうが、扱いが明確になります。

保護者から投稿を消してほしいと言われたときの手順も、決めておきます。次の流れを、仮の例として示します。

  • 受付の窓口を一つに決め、園長か広報の責任者が受ける
  • 対象の投稿を特定し、非公開にするか、削除する
  • 同じ素材を使った他の投稿、ホームページ、園内の掲示も探す
  • 保護者に、対応が終わったことを連絡する
  • 同意の台帳を更新し、今後は同じ素材を使わないように記録する

この流れは編集部の整理で、法令がこの順序を定めているわけではありません。誹謗中傷や、個人を特定しようとするコメントが来た場合の記録、非表示、上げる先の決め方は、企業SNSのコメント・DM対応ルールの作り方をまとめた記事で扱っています。

投稿前の確認体制|撮る人・選ぶ人・承認する人を分ける

投稿前の確認体制とは、写真を撮る人、載せる素材を選ぶ人、投稿を承認する人を分け、同意の台帳と点検表で一件ずつ確かめてから公開する運用です。

三つの役割を同じ人が兼ねると、撮影した本人の記憶で写り込みを見落としやすくなります。小さな園で人数が足りない場合も、撮影した人と、承認する人は別にします。承認する人は、同意の台帳を見て、写っている子どもが同意の範囲に入っているかを確かめ、確認が取れない場合は投稿しません。承認する人が不在の日は、投稿を翌日以降に回す、と決めておきます。

次の表は、点検表の記入例です。五つの投稿案は、仮の例です。

投稿案(仮の例) 写っているもの・書かれているもの 確認すること 判定と修正案
園庭の朝の様子 無人の砂場、バケツ、遊具 看板や掲示物に個人名が写っていないか 投稿可。個人名の入った掲示物が写る場合は撮り直す
運動会の準備 玉入れのかご、コーン、飾り付け 職員や子どもが写り込んでいないか 投稿可。写り込みがあれば、別のカットに差し替える
給食の盛り付け 皿、献立の説明文 名札や、個別のアレルギー対応の表示が写っていないか 名札やラベルが写っていれば外して撮り直す。個別の対応は載せない
職員の一日の紹介 職員の手元、本人が書いた一言 職員本人の同意があるか、書かれた内容を本人が確認したか 同意と本人の確認が取れていれば投稿可。取れていなければ見送る
職員募集の案内 職場の風景、募集要項のページへの案内 勤務条件が募集要項と一致しているか、最新の内容か 条件は書かず、募集要項のページへ案内する形にして投稿する

点検表は、投稿の記録として残します。投稿のたびに、点検した人、承認した人、確認した日付を残しておくと、保護者から問い合わせがあったときに、投稿の経緯を説明できます。投稿の運用ルールを文書にまとめる手順は、企業SNSの運用ガイドラインの作り方をまとめた記事が参考になります。

運用を続ける体制|担当者を一人にしない・外部に任せるとき

園のInstagramを続ける体制とは、担当者が替わっても、アカウントの権限、同意の台帳、投稿前の確認の手順が引き継がれる状態のことで、担当者を一人にしないことから始まります。

担当の職員が異動したり退職したりすると、アカウントのログイン情報や同意の台帳の保管場所が分からなくなり、確認の手順が止まることがあります。アカウントの権限を誰が持つか、ログイン情報を誰が管理するか、同意の台帳をどこに保管するかは、運用を始める前に決めて、書面に残します。権限の分け方と引き継ぎの手順は、企業SNSアカウントの権限管理と引き継ぎ手順をまとめた記事で扱っています。

運用を外部の会社に任せる場合は、子どもの写真や同意の台帳を、どの範囲で渡すのかを決めておきます。外部に任せても、同意の確認と投稿の承認は園の側に残し、委託先に渡した写真の保管場所と、契約が終わったときの扱いを書面で取り決めます。委託契約で確認する点は、SNS運用と個人情報保護法の委託契約をまとめた記事で整理しています。

よくある質問(FAQ)

Q1. 保育園・幼稚園・認定こども園で、写真の扱いのルールは違いますか。
個人情報保護法の考え方は、個人情報を取り扱う事業者として園を運営する場合に共通して関わります。公立の園は、設置者である自治体の定めが別にある場合があるため、設置者に確認してください。子どもの性的な部位を含む画像等についての事務連絡は、保育所、地域型保育事業所、認可外保育施設、認定こども園及び幼稚園が対象です(事務連絡)。一方、保育所保育指針は保育所についての定めで、幼稚園や認定こども園の要領は今回確認していません。自治体ごとの運用の違いは、所管の窓口に確認してください。
Q2. 入園時の同意書に、Instagramの掲載も含めておけば足りますか。
入園時に取得する場面で、利用目的を具体的に示すことは有効です。ただし、掲載する場所や素材を選べるようにし、同意しなくても入園の扱いに影響しないことを書面で分かるようにしておくと、同意の内容が明確になります。掲載の目的を後から広げる場合は、その時点で改めて伝えて同意を取ります。
Q3. 同意が取れていない子どもが、小さく写り込んだ写真は使えますか。
本人が判別できるかどうかで判断します。小さくても、衣服や持ち物、背景の状況から分かる場合があるため、別の職員が点検して、判別できる手がかりが残っているなら使いません。迷う写真は、別のカットに差し替えるのが運用として分かりやすい方法です。
Q4. 卒園・退園した子どもの写真は、どう扱いますか。
同意書に掲載期間と、退園・卒園のときの扱いを書いておき、その内容どおりに扱います。書いていなかった場合は、保護者に連絡して、掲載を続けるかどうかを確認するのが運用として明確です。個人情報保護委員会のQ&Aも、展示期間を限定する取組を望ましいとしています(Q&AのQ7-11)。
Q5. 職員が個人のアカウントで、園の様子を載せてもよいですか。
園の運用としては、個人のアカウントに園の子どもや家庭の話を載せないルールにしておくことを勧めます。保育士には、業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならないという定めがあります(児童福祉法第18条の22)。園の様子を職員が発信したい場合は、園の公式アカウントの確認手順に載せる形にします。
Q6. 運用を外部の会社に任せるとき、最初に決めることは何ですか。
撮影した写真や同意の台帳を渡す範囲、投稿前に確認する人、アカウントの権限を誰が持つかを決めます。確認の担当を外部にお任せしない体制にして、園側の承認を投稿の条件にします。委託契約で確認する点は、SNS運用代行と個人情報保護法の記事でも整理しています。

まとめ|投稿の型を決め、同意と公開の範囲を投稿前に確かめる

保育園・幼稚園のInstagramは、入園を検討する保護者、在園の保護者、採用を考えている人の三つの読者のうち主な相手を決め、読者の知りたいことに答える型で組むと、子どもの顔や氏名を出さずに運用できます。そのうえで、子どもが写る素材は、親権者である保護者から、掲載する場所・素材・期間を分けて同意を取り、同意の台帳と照らしてから使います。

公開してはいけない画像は、こども家庭庁と文部科学省の事務連絡が示す、性的な部位を含む画像等です。園の保護者に閲覧を限定する場合も、不適切な使用がなされないよう配慮するとされているため、着替えや水遊びのような場面は、公開用には撮らない運用にします。職員紹介と採用の投稿は、本人の同意と募集情報の正確さを確かめ、コメントやDMでは個人情報を受け取らず、削除の依頼を受ける窓口を決めておきます。

最初の一歩としては、過去の投稿を見直し、同意書の項目を直し、投稿前の点検表を一枚作ることから始めるのが現実的です。事業者向けの新商品「Instagram×MEO マンツーマン勉強会」の相談日時は、下のリンクから予約できます。

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