整骨院・接骨院でInstagramを始めようとすると、「どこまで書いてよいのか」「施術の写真や患者さんの声は載せてよいのか」で手が止まります。結論から言うと、柔道整復師法第24条は、柔道整復の業務や施術所について広告できる事項を限っています。厚生労働省の指針は、SNSへの書き込みも、利用者を誘引する意図があり、施術者や施術所が特定でき、一般の人が見られる状態であれば広告として取り扱うとしています。投稿は「広告として扱われる前提」で、書ける事項から組み立てるのが安全です。
この記事は、整骨院・接骨院の院長や運営担当者、そのInstagram運用を任された担当者に向けて書いています。内容は、法律と指針が定める広告の範囲、投稿で扱える事項と扱えない事項、施術写真・ビフォーアフター・口コミの考え方、患者さんが写る写真と個人情報、投稿前の確認の手順です。根拠は、e-Gov法令検索の柔道整復師法と、厚生労働省のあはき・柔整広告ガイドライン(令和7年2月18日)、個人情報保護委員会の個人情報保護法ガイドライン(通則編)、消費者庁のステルスマーケティング規制のページで、2026年10月21日に実際に開いて確認できた記載に限っています。広告に当たるかどうかの最終的な判断は、施術所を所管する保健所などの自治体窓口や専門家にご確認ください。文中の投稿案や記入例は、手順を説明するための「仮の例」であり、実在の施術所や患者さんの話ではありません。
整骨院・接骨院のInstagramに関わる制度|医療機関の広告ルールとは別
整骨院・接骨院の広告は、医療機関に適用される医療法の広告規制ではなく、柔道整復師法第24条と、同条を運用するための厚生労働省の指針によって、広告できる事項が限られています。
柔道整復師法第24条第1項は、柔道整復の業務または施術所に関して、何人も、文書その他いかなる方法によるかを問わず、次の事項を除いて広告をしてはならないと定めています。柔道整復師である旨とその氏名・住所、施術所の名称・電話番号・所在の場所、施術日または施術時間、そしてその他厚生労働大臣が指定する事項です。第2項は、氏名や施術所の名称を広告する場合でも、柔道整復師の技能、施術方法または経歴に関する事項にわたってはならないとしています。同法第30条は、第24条に違反した者を30万円以下の罰金に処すると定めています(柔道整復師法、2026年10月21日確認)。
「何人も」とあるため、規制の対象は施術所だけではありません。厚生労働省の指針は、マスコミや広告代理店、いわゆるインフルエンサーやアフィリエイターも広告規制の対象となり得ると述べ、広告代理店などが違反のある広告を掲載した場合は、広告を依頼した側とともに指導等の対象となり得るとしています(あはき・柔整広告ガイドライン、Ⅱの4)。運用を外部に任せる場合も、投稿の確認をお任せにしない体制が必要です。
医療機関(病院・診療所)のInstagram運用は、別の制度である医療広告ガイドラインの対象です。整骨院・接骨院は医療機関ではないため、医療機関向けの情報をそのまま当てはめないでください。医療機関側の考え方は、医療クリニックのInstagram集客を扱った記事で整理しています。
InstagramやSNSの投稿は「広告」になるのか|指針の3つの要件
指針は、利用者を施術所に誘引する意図があること、施術者の氏名または施術所の名称が特定できること、一般の人が認知できる状態にあることの3つをすべて満たすものを、柔道整復師法第24条の対象となる広告と判断するとしています。
指針は、この3つを「誘引性」「特定性」「認知性」と呼んでいます。ホームページなどの施術所のウェブサイトは、情報を得ようとする人が自分で検索して閲覧するため、認知性を満たさず、原則として広告とは見なさないとされています。一方、SNSへの書き込みは、公開範囲が限られていない場合は公開時から一般の人が認識できる状態にあるため、3つの要件をすべて満たせば広告として取り扱うと明記されています。公開範囲が限られている場合も、閲覧者の反応によって二次的、三次的に伝わるため、同様に認知性を満たし得るとされています(指針のⅡの6の(6)、Ⅵの1の(1)イ)。
施術所が自院の名前を出して開いたアカウントで、来院を促す目的の投稿をすれば、3つの要件に当てはまりやすいと考えられます。ただし、個々の投稿が広告に当たるかどうかは、投稿の内容と文脈で判断されます。指針には、「これは広告ではありません」と書いても、施術所の名称が分かるものは広告として扱われ得るという趣旨の記載もあります(Ⅱの2)。そのため、運用の初期設計では「自院のアカウントの投稿は、広告として扱われても問題ない内容にする」と決めておくと、迷いが減ります。
指針は、直接的な表現でなくても、全体で見て施術所の広告だと一般の人が認識できるものも対象になるとしています。例として、病気が回復して元気になる姿のイラスト、新聞・雑誌で紹介された旨、専門家の談話の引用、効果を連想させるウェブサイトのURLが挙げられています(Ⅱの3)。画像、絵文字、ハッシュタグ、ユーザー名で効果をほのめかさないことも、投稿前の確認に含めます。
投稿に書ける事項と、確認が必要な表現|指針の整理表
投稿に書ける事項は、柔道整復師である旨と氏名・住所、施術所の名称・電話番号・所在の場所、施術日・施術時間、およびほねつぎ(接骨)、届出済みである旨、医療保険療養費支給申請ができる旨、予約、休日・夜間の施術、出張による施術、駐車設備に関する事項です。
次の表は、指針のⅢとⅣをもとに、投稿で扱える事項と、確認が必要な表現の例を並べたものです。右の列の表現は、推奨するものではなく、指針が広告不可の例や虚偽・誇大の例として示している内容に基づく「確認が必要な表現の例」です。
| 投稿で扱う事項 | 書ける内容(指針の範囲) | 確認が必要な表現の例 |
|---|---|---|
| 資格と氏名 | 柔道整復師である旨、氏名、「国家資格保有」の併記 | 学歴・研修歴・所属学会などの経歴、「高い技術」のような技能の表現 |
| 施術所の名称 | 指針が示す名称の例は「〇〇接骨院・鍼灸院」「〇〇接骨院・〇〇鍼灸院」のような、業務の種類が分かるもの(「〇〇」には施術所ごとの名称が入ります)(「整骨院」を名称に使えるかは指針に明記がないため、所管の保健所に確認) | 「整体」「サロン」「ほぐし処」など、広告不可な名称の例として挙げられた語(アカウント名やユーザー名も同じ観点で点検する) |
| 電話番号・所在地 | 電話番号、受付時間、郵便番号、最寄駅からの道順、地図、ウェブサイトのURL | 「痛みなし」などを連想させる語呂合わせの電話番号の読み |
| 施術日・施術時間 | 受付時間、施術曜日、休療日、往療日 | 「診療時間」「休診日」「初診」のように「診」を使う表記 |
| 医療保険の取扱い | 医療保険療養費支給申請ができる旨(脱臼・骨折の患部の施術は医師の同意が必要な旨を明示) | 「各種保険取扱い」「交通事故取扱い」、どんな症状でも保険が使えるように読める表現 |
| 予約・休日夜間・出張 | 予約優先である旨、休日・夜間の施術、出張可能な範囲、「往療」「訪問施術」 | 実際に行っていない時間帯や地域の記載、「訪問診療」「往診」 |
| 駐車設備 | 駐車場の有無、場所、写真、料金、収容可能台数 | 実際は料金がかかるのに「無料駐車場あり」と書く記載 |
| 開設の届出 | 都道府県知事へ施術所開設の届出をした旨 | 「厚生労働省認可」「知事の許可取得済み」、届出済みであることを特別な評価のように強調する書き方 |
この表のとおり、書ける事項の中心は、施術所の基本情報と、通うための情報です。症状の名前、施術の流れ、効果、通院の回数の目安は、広告可能な事項として挙がっていません。指針は、広告可能な事項について、利用者の理解を助けるために分かりやすい表現や説明を加えることは望ましいとしています。たとえば、医療保険療養費支給申請ができる旨は、「医療保険により利用者は施術費用の一部負担で施術を受けることができます」と言い換えることができます(Ⅲの2の(2)、Ⅲの4の(2))。写真やイラストも、広告可能な事項を表現する手段として使えるとされています(Ⅲの2の(1))。
施術の写真・ビフォーアフター・施術者の紹介の扱い
施術の写真やビフォーアフターは、効果や施術方法を示すものになりやすく、指針では、効果は広告可能な事項に含まれず、撮影条件を変えた施術前後の写真は誇大、加工・修正した写真は虚偽として扱うとされています。
指針のⅥの4は、ウェブサイト等に掲載すべきでない事項の例として、撮影条件や被写体の状態を変えて撮影した施術前後の写真で効果を強調すること(誇大)と、効果があるように見せるため加工・修正した施術前後の写真(虚偽)を挙げています。SNSの投稿が広告に当たる場合は、そもそも効果が広告可能な事項に含まれないため、施術前後の写真自体を載せない設計が、迷いの少ない運用です(指針のⅢの1、Ⅵの4)。
代わりに使いやすい素材は、広告可能な事項を伝える写真です。たとえば、入口や受付の様子、待合室、駐車場の位置、地図につながる周辺の風景、営業時間のお知らせ、予約方法を示す画面の説明などがあります。施術者の紹介は、氏名と柔道整復師(国家資格保有)である旨までが広告可能な範囲で、経歴や得意な施術、技能の紹介は第24条第2項で認められていません。
著名人についても注意が必要です。指針は、芸能人や著名人が施術所の名称などを説明すること自体は差し支えないとしつつ、実際に利用者である場合、その旨は広告可能な事項ではないとしています(Ⅲの5)。「有名人も通っています」と書ける事実があっても、投稿には書けません。
口コミ・体験談・紹介の投稿を扱うときの考え方
患者さんが自発的に書いた体験談は、通常は広告と見なされませんが、施術所からの依頼や謝礼がある場合は広告として扱われ、体験談は広告可能な事項でないため掲載できません。
指針は、利用者自身が自発的に書いた体験の手記や口コミは、誘引性を満たさないため広告とは見なさないとしています。一方で、施術所の依頼に基づく手記や、金銭などの謝礼を受けている、またはその約束がある場合は、誘引性があると判断して広告として扱うとしています。経営に関わる人の家族が書いた場合なども同様です(Ⅱの6の(3))。広告に当たる場合、体験談や感想は広告可能な事項でないため、載せられません。
自院のアカウントで患者さんの投稿を紹介(転載)する場合の扱いは、指針に明示的な記載を見つけられませんでした。自院の発信になる以上、広告と同じ基準で確認する前提で、事前に保健所へ相談するのが現実的です。この「記載を見つけられなかった」という点は、確認できた指針の範囲での記述であり、可否を示すものではありません。
謝礼や特典を渡して口コミの投稿を促す運用にも注意が必要です。指針は、施術所にとって都合のよい感想だけが出るよう誘導して掲載することを、利用者を誤認させるおそれがあるものとして、ウェブサイト等に掲載すべきでない事項に挙げています(Ⅵの4の(3))。さらに、広告であることを隠した投稿については、消費者庁が、令和5年10月1日からステルスマーケティングが景品表示法違反となり、規制の対象は広告主である事業者だと案内しています。外部の人に投稿を依頼する場合の考え方は、企業SNSのステマ規制対応を扱った記事が詳しいです。
患者さんが写る写真と個人情報|写り込みと同意の扱い
顔画像や、本人が判別できる映像・写真は、個人情報保護法ガイドライン(通則編)が個人情報に当たる例として挙げているため、患者さんが写る写真は、誰が写っているかを特定できるかどうかを基準に、撮影と掲載の範囲を決める必要があります。
個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、個人情報について、氏名や生年月日だけでなく顔画像なども含むと説明し、防犯カメラに記録された本人が判別できる映像情報を事例に挙げています。ホームページやSNSで公にされている、特定の個人を識別できる情報も事例に含まれます(ガイドライン(通則編)、2026年10月21日確認)。顔が写っていなくても、名札、書類、画面、特徴のある持ち物などから誰か分かる写真は、同じように慎重に扱います。
施術所の情報は、さらに慎重さが求められます。同ガイドラインは、病歴や、医師等から診療や指導が行われたことなどを要配慮個人情報とし、原則としてあらかじめ本人の同意を得ずに取得してはならないとしています。柔道整復師による施術がこの定義にどこまで当たるかは、このガイドラインの記載だけでは判断できないため、扱いに迷う場合は専門家にご確認ください。少なくとも、「どの部位をどんな理由で施術したか」が分かる投稿は、避けるのが無難です。
写真を載せるかどうかの運用としては、次のようにすると判断が安定します。第一に、患者さんが特定できる写真は、原則として投稿の素材にしないと決めます。第二に、スタッフや患者さんが写る場合は、撮影と掲載の目的、使う媒体、掲載の範囲、撤回したいときの連絡先を書面で示して同意を得て、記録を残します。ガイドラインは、利用目的の書き方について「マーケティング活動に用いるため」のような書き方は具体的でない例だとしているため、同意の説明文も「当院のSNSアカウントでの施術所の紹介」のように具体的に書きます。第三に、同意の取り方は施設の事情で変わるため、書式の最終確認は専門家に依頼します。同意の考え方は、利用者の写真を扱う利用者写真の同意の取り方を扱った介護施設向けの記事や、写真・音楽・UGCの二次利用の確認項目を扱った記事も参考になります。
整骨院・接骨院に向く投稿の型|広告可能な事項から組み立てる
整骨院・接骨院の投稿の型は、広告可能な事項を読者の「困りごと」に合わせて並べ替えることで作れ、予約方法・営業時間・アクセス・保険の取扱い・出張の範囲といった、来院前の判断に必要な情報が中心になります。
書ける内容が限られていても、来院を検討している人が知りたいことの多くは、基本情報の中にあります。下の表は、検索や地図アプリで施術所を探している人の疑問ごとに、投稿の型と確認の観点を整理したものです。
| 読者の疑問 | 投稿の型 | 使える素材 | 投稿前に確認する点 |
|---|---|---|---|
| いつ行けるか | 施術日・受付時間・休療日のお知らせ | 営業時間を示す画像、カレンダー風の図 | 実際の運営と一致しているか、「診」を含む表記がないか |
| 予約は必要か | 予約方法の案内 | 電話・メール・予約画面の案内図 | 予約優先である旨にとどまり、待ち時間の短さなどの優位性を示していないか |
| 場所はどこか | アクセスと駐車場の案内 | 最寄駅からの道順の写真、駐車場の位置と台数、料金 | 料金が必要な駐車場を無料と書いていないか |
| 保険は使えるのか | 医療保険療養費支給申請についての説明 | 指針の例に沿った文章の画像 | 「各種保険取扱い」と書かず、脱臼・骨折の患部は医師の同意が必要な旨を併記しているか |
| 自宅に来てもらえるか | 往療・訪問施術の案内 | 対応する地域と時間の一覧 | 実際に対応できる範囲か、「往診」と書いていないか |
| どんな施術所か | 施術所の紹介 | 入口、受付、待合室の写真(人が写らないもの) | 他の施術所や医療機関と誤認される写真でないか |
投稿の頻度や時間帯は、広告規制では決まっていないため、運用体制に合わせて決められます。共通の考え方は、企業Instagramの投稿時間と頻度の決め方を扱った記事に譲ります。コメントやダイレクトメッセージの対応で症状への助言を求められる場面も出てきます。症状についての個別の助言は、広告の問題だけでなく、診療や個別の相談と受け取られるおそれがあるため、来院や電話での相談へ誘導する返信の型を、あらかじめ決めておきます(コメント・DM対応ルールの作り方を扱った記事)。
投稿案の仕分けの記入例(仮の例)
投稿案の仕分けは、「何を伝える投稿か」「指針のどの事項に当たるか」「修正案は何か」の3つを一覧にして、投稿前に承認者が確かめる方法で行います。
次の表は、手順を説明するための仮の例で、判断の根拠は指針に基づきます。実在の施術所や患者さんの話ではなく、判定は一例であり、実際の可否は保健所などにご確認ください。
| 投稿案(仮の例) | 指針との照らし合わせ | 修正案 |
|---|---|---|
| 「肩こりを根本から改善する当院の独自の手技を紹介」 | 効果、施術方法・技能は広告可能な事項に含まれない | 投稿を取りやめ、受付時間と予約方法の案内に差し替える |
| 「施術前後の写真で変化を比べてください」 | 効果は広告可能な事項でなく、撮影条件を変えた前後写真は誇大、加工・修正した前後写真は虚偽として扱われる | 患者さんが写らない院内の写真と、営業時間の案内に差し替える |
| 「院長は各種の学会に所属し、研修を修了」 | 経歴は第24条第2項で認められていない | 「院長 氏名/柔道整復師(国家資格保有)」にとどめる |
| 「各種保険取扱い。交通事故もお任せください」 | 「各種保険取扱い」「交通事故取扱い」は広告不可な例として示されている | 「医療保険療養費支給申請ができます。脱臼・骨折の患部は医師の同意が必要です」と、指針の言い換えに沿って書く |
| 「駐車場は敷地内にあります(料金は利用時間に応じてかかります)」 | 駐車設備の有無、場所、料金は広告可能。実際の運営と一致している必要がある | 場所と料金を、現地の掲示と一致させたまま掲載する |
この表の4行目の言い換えは、指針が例として示している文章に基づいています。仕分けの結果は、記録として残しておくと、後から「なぜこの表現にしたか」を説明できます。
投稿前の点検表|承認者が確かめること
投稿前の点検表は、広告可能な事項に収まっているか、効果や優位性を示していないか、人が特定できないか、依頼や謝礼のある投稿でないかといった視点で、公開前に承認者が確認するための表です。
| 視点 | 確認すること | 確認の根拠 |
|---|---|---|
| 広告可能な事項 | 資格・氏名、名称、連絡先、施術日・時間、保険、予約、出張、駐車のいずれかに収まっているか | 柔道整復師法第24条、指針のⅢ |
| 技能・経歴・効果 | 技能、施術方法、経歴、効果、改善率、満足度の表現が入っていないか | 第24条第2項、指針のⅣ、Ⅵの4 |
| 比較・最上級 | 「唯一」「日本一」「県内で一番」のような他院との比較や最上級がないか | 指針のⅣの3の(2)、Ⅵの4の(2) |
| 事実との一致 | 営業時間、休日、駐車場、出張の範囲、保険の取扱いが現状と一致しているか | 指針のⅣの3の(1) |
| 人の特定 | 患者さん、スタッフ、他の来院者が写っていないか、書類や画面に個人情報がないか | 個人情報保護法ガイドライン(通則編) |
| 依頼・謝礼 | 口コミ・紹介の投稿に、依頼や謝礼、広告であることを隠した扱いがないか | 指針のⅡの6の(3)、消費者庁のステマ規制のページ |
| 名称・表記 | アカウント名やプロフィールに、広告不可な名称や「診」の表記がないか | 指針のⅢの3 |
この点検表は、社内の運用ガイドラインに組み込んで使えます。ガイドライン全体の作り方は、企業SNS運用ガイドラインの作り方を扱った記事を参考にしてください。
社内の確認体制と、保健所に相談するときの進め方
整骨院・接骨院のSNS運用の確認体制は、投稿を作る人と承認する人を分け、判断に迷った投稿を施術所を所管する保健所に相談する流れを決めておくことで整えられます。
指針のⅤは、あはき・柔整に関する広告の指導は都道府県、保健所および権限委譲を受けた市町村などが行うこと、広告を実施する者からの相談を受ける窓口が想定されていることを述べています。具体的な窓口は自治体ごとに異なるため、まず、施術所を所管する保健所の担当部署に連絡先を確認します。相談するときは、投稿の画像と文章、アカウントの名称、投稿の目的を添えると、判断を得やすくなります。
運用の役割は、次のように分けると回りやすくなります。投稿の作成者は、広告可能な事項に基づいて原稿を作ります。承認者は、点検表で確認して、記録を残します。院長または管理者は、保健所への相談の要否を決め、回答を社内のルールとして反映します。運用を外部に任せる場合も、承認者は施術所の側に置き、外部には点検表を共有します。指針が、広告代理店なども指導の対象となり得るとしているためです。成果の見方は、予約や問い合わせの件数など、広告可能な事項に沿って集まる数値を中心に決めます(法人Instagram KPI設計の方法を扱った記事)。
よくある質問(FAQ)
- Q1. 施術所のホームページとInstagramで、広告の扱いは違いますか。
- 指針は、施術所のウェブサイトは原則として広告とは見なさず、SNSへの書き込みは3つの要件をすべて満たせば広告として取り扱うとしています(指針のⅥの1の(1))。ただし、広告に当たらないウェブサイトでも、虚偽や誇大な内容を載せるべきでないと指針は述べています。ホームページだから自由と考えず、同じ基準で点検してください。
- Q2. 症状の名前(腰痛、肩こりなど)を投稿に書いてもよいですか。
- 症状や適応を示すことは、広告可能な事項として挙がっていません(柔道整復師法第24条)。症状名を使った投稿が広告に当たるかどうかは、文脈によって判断が分かれるため、保健所に事前に確認してください。
- Q3. 患者さんの許可があれば、施術中の写真を載せてもよいですか。
- 許可の問題とは別に、施術中の写真は施術方法や効果を示す内容になりやすく、広告可能な事項として挙がっていない内容に当たる可能性があります。個人情報の面でも、写っている人を特定できる写真は個人情報に当たります(通則編)。載せる前に保健所と専門家に確認するのが安全です。
- Q4. スタッフの顔写真や自己紹介は載せられますか。
- 柔道整復師である旨と氏名は広告可能な事項です。経歴、得意な施術、技能の紹介は第24条第2項で認められていません。顔写真の掲載には、本人の同意の記録を残してください。
- Q5. 他院との違いを打ち出す表現は使えますか。
- 指針は、他の施術所より優れていると誤認させるおそれのある表現を、比較優良広告として扱います。「県内で唯一」「出張施術はここだけ」といった表現が例に挙げられています(指針のⅣの3の(2))。事実であっても、広告可能な事項ではありません。
- Q6. 運用を外部の会社に任せても、責任は施術所にありますか。
- 指針は、広告を企画・制作する広告代理店なども、違反があれば広告依頼者とともに指導等の対象となり得るとしています。責任の分担は契約によって変わるため、投稿の承認権限を施術所に置き、契約書で確認の流れを決めておくことをお勧めします。
まとめ|広告可能な事項から組み立て、公開前に点検する
整骨院・接骨院のInstagramは、柔道整復師法第24条と厚生労働省の指針を前提に、投稿を広告として扱われ得るものと考えて設計します。書ける事項は施術所の基本情報と通うための情報が中心で、技能、経歴、効果、体験談、他院との比較は載せません。患者さんが写る写真は、特定できるかどうかで判断し、同意と記録の運用を決めます。口コミは、依頼や謝礼の有無で扱いが変わります。判断に迷う投稿は、保健所に相談してから公開してください。投稿案の整理や運用体制づくりのご相談は、次のリンクから承ります。
