SNS運用代行の発注で企業が守るフリーランス法|明示義務と支払期日

SNS運用代行の発注で企業が守るフリーランス法|明示義務と支払期日
📅 公開日: 2026年9月20日🔄 最終更新: 2026年10月30日

SNS運用代行を個人のフリーランスへ外注している、またはこれから外注を検討している企業は、2024年11月1日施行の「フリーランス・事業者間取引適正化等法」(フリーランス新法)の対象になっているかどうかを先に確認する必要があります。

結論として、従業員を使用している発注事業者であれば、資本金の額にかかわらず、外注先が従業員を使用しない個人や一人社長法人である限りこの法律の対象になり、取引条件の書面明示、支払期日の設定、募集情報の的確表示、ハラスメント対策の体制整備という義務を負います。

委託期間が1か月以上になれば禁止行為の規定が、6か月以上になれば育児介護等への配慮と中途解除の事前予告が追加で発生します。

この記事では、SNSの企画・撮影・投稿代行・分析などを個人のフリーランスへ発注する法人の担当者を想定し、取引条件をいつ・どの媒体で・何を書いて明示するか、報酬の支払期日をどう起算するか、禁止行為に当たりやすい運用上の指示のパターン、中途解除の予告、発注フローと稟議への組み込み方、担当者交代時の引き継ぎ項目までを、公正取引委員会と政府広報オンラインが公開している一次情報にもとづいて整理します。

個別の契約が法律の対象になるかどうかの最終判断や違反の該当性については、公正取引委員会・中小企業庁・厚生労働省の窓口または弁護士に確認してください。

目次

SNS運用代行の外注はフリーランス法の対象になるか

フリーランス・事業者間取引適正化等法とは、業務委託の相手方である事業者で従業員を使用しないもの(フリーランス)と、フリーランスに業務を委託する事業者との取引を適正化するための法律のことです。

SNS運用代行では、投稿の企画・撮影・編集・分析・レポート作成などの一部または全部を、個人で活動するカメラマンやディレクター、コンサルタントへ外注するケースが多くあります。

政府広報オンラインの解説によれば、この法律における「フリーランス」は業務委託の相手方である事業者であって従業員を使用しないものを指し、デザイナーやカメラマンに限らず、様々な分野で企業に雇われずに個人で仕事を請け負う人が該当するとされ、発注事業者とは法人格の有無にかかわらず基本的には従業員を使用する事業者を指すとされています(出典:政府広報オンライン「フリーランスが安心して働ける環境づくりのための法律、2024年11月からスタート!」、2026年1月30日掲載)。つまり、自社に従業員がいて、外注先が従業員を使わない個人(または一人社長法人)であれば、この法律の対象取引に当てはまります。

自社のSNS運用を個人と法人のどちらに委託すべきか改めて検討したい場合は、「SNS運用代行は個人と法人どっちが正解?費用・品質|2026年の最新情報」もあわせてご覧ください。

混同しやすいのが下請法との違いです。なお下請法は、令和8年(2026年)1月1日施行の改正により、法律名が「下請代金支払遅延等防止法」から「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」(略称:中小受託取引適正化法、通称:取適法)へ変わっています(出典:公正取引委員会「中小受託取引適正化法(取適法)関係」、2026年9月20日確認)。

政府広報オンラインの解説によれば、下請法が資本金1,000万円を超える法人にのみ規制が適用されるのに対し、フリーランス・事業者間取引適正化等法は資本金の額にかかわらず従業員を使用している全ての発注事業者が規制の対象になるとされています(出典:政府広報オンライン)。

また、取適法では従来の資本金基準に加えて従業員数による基準(常時使用する従業員数300人(製造委託等の場合)又は100人(役務提供委託等の場合))が新たに追加され、資本金基準または従業員基準のいずれかを満たす場合に適用対象となる形へ範囲が拡大されています(出典:政府広報オンライン「2026年1月から下請法が「取適法」に!委託取引のルールが大きく変わります」、2026年9月20日確認)。上記の資本金1,000万円という区分はフリーランス法との対比として政府広報オンラインが示しているものであり、取適法の対象かどうかは資本金だけでは判断できません。

資本金が少ないベンチャーやスタートアップでも、個人のフリーランスへSNS運用を発注していれば対象になり得るため、資本金要件だけで対象外と判断しないよう注意してください。

下請法(2026年1月1日施行の改正後は中小受託取引適正化法)とフリーランス新法で対象になる発注事業者の違い
比較項目 フリーランス・事業者間取引適正化等法 下請法(2026年1月1日施行の改正後は中小受託取引適正化法・通称 取適法)
対象になる発注事業者 従業員を使用する事業者(資本金の額を問わない) 資本金1,000万円を超える法人(2026年1月1日施行の取適法では従業員数300人/100人の基準が追加され、いずれかを満たせば対象)
対象になる受注者 従業員を使用しないフリーランス(個人・一人社長法人) 資本金区分を満たす下請事業者
取引条件明示義務の起点 従業員を使用しない発注事業者を含め、業務委託をした全ての事業者に発生 資本金区分に該当する取引の発生時

取引条件の明示義務で書面に残す9つの項目

取引条件の明示義務とは、フリーランスに業務を委託した発注事業者が、直ちに書面または電磁的方法で9つの取引条件を明示しなければならない義務のことです。

政府広報オンラインの整理では、発注事業者は業務を委託した場合、「委託する業務の内容」「報酬の額」「支払期日」などの取引条件を直ちに明示しなければならず、明示は書面又はメール、SNSのメッセージなどによって行うとされています(出典:政府広報オンライン)。

公正取引委員会のフリーランス法特設サイトでは、明示する事項として次の9つが挙げられています(出典:公正取引委員会)。

書面等で明示する9つの取引条件
No. 明示する項目 SNS運用代行での記載例
1 給付の内容 投稿本数、撮影カット数、分析レポートの範囲など委託する業務の具体的な内容
2 報酬の額 月額固定額、または投稿単価などの金額
3 支払期日 報酬を支払う年月日
4 業務委託事業者・フリーランスの名称 発注する自社の名称と、受注するフリーランスの氏名または名称
5 業務委託をした日 発注した年月日
6 給付を受領する日/役務の提供を受ける日 投稿データや撮影データを受け取る予定日
7 給付を受領する場所/役務の提供を受ける場所 データ納品先(クラウドストレージのURLなど)や役務提供の場所
8 検査完了日(検査をする場合) 納品物を確認し検収を終える予定日
9 報酬の支払方法に関して必要な事項(現金以外で支払う場合) 振込先や決済手段に関する情報

これらは口頭で伝えるだけでは義務を満たしません。発注書やメール、チャットツールのメッセージなど記録に残る方法で明示し、あとから内容を確認できる状態にしておく必要があります。

取引条件をどこまで契約書へ落とし込むかは「Instagram運用代行の契約前チェックリスト|業務範囲・指標・解約の確認表」も参考になります。

明示のタイミングにも注意が必要です。公正取引委員会のフリーランス法特設サイトによれば、明示方法は書面または電磁的方法のいずれかを発注事業者が選ぶことができますが、口頭のみでの明示は認められていません(出典:公正取引委員会)。

政府広報オンラインの解説では、直ちに取引条件を明示できない場合でも、正当な理由があれば、その理由と未定事項が決まる予定期日を明示したうえで、未定事項の内容が定められた後に直ちにその未定事項を明示すればよいとされています(出典:政府広報オンライン)。

SNS運用代行では、投稿本数やタイアップ案件の有無が発注の初期段階で確定しないこともありますが、その場合は「未定事項がある理由」と「いつまでに確定させるか」をあわせて伝え、確定した時点で速やかに追記する運用が求められます。

なお、政府広報オンラインは、書面等による取引条件の明示は、発注事業者が従業員を使用しているかどうかにかかわらず、フリーランスに業務を委託する全ての事業者への義務になっていると説明しています(出典:政府広報オンライン、前掲)。

自社が個人事業主に近い小規模法人であっても、外注する相手が従業員を使わないフリーランスであれば、この明示義務自体は発生する点に注意してください。

報酬の支払期日は受領日から60日以内が原則

報酬の支払期日設定義務とは、発注した物品等を受け取った日から数えて60日以内のできる限り短い期間内で支払期日を定め、その期日内に報酬を支払わなければならない義務のことです。

政府広報オンラインの解説では、フリーランスに業務を発注する事業者は、発注した物品等を受け取った日から数えて60日以内のできる限り短い期間内で報酬の支払期日を設定し、その期日内に報酬を支払うことが義務付けられるとされています(出典:政府広報オンライン)。SNS運用代行では、月次の投稿・分析業務のように継続的に成果物を受け取る契約が多いため、「検収完了日」または「月次の役務提供終了日」のどちらを起算点にするかを契約時に取り決め、そこから60日以内で支払期日を設定する必要があります。60日という上限は「その範囲内でできる限り短く」という条件つきであるため、資金繰り上可能な範囲で、上限ぎりぎりではなくできるだけ早い期日を設定することが望ましいといえます。

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再委託時に使える30日ルールと明示すべき3項目

再委託の例外とは、発注事業者が他の事業者から受けた業務をフリーランスへ再委託する場合に、必要事項を明示すれば支払期日を元の支払期日から起算して30日以内で定められる仕組みのことです。

SNS運用代行会社が、広告主やメーカーなど元請けの企業から受注した業務の一部を、個人のフリーランスへ再委託する場面は珍しくありません。

政府広報オンラインの解説では、フリーランスに業務を発注する事業者が、他の事業者から受けた業務をフリーランスに再委託し、かつ必要事項(再委託である旨、他の事業者の名称、他の事業者から発注事業者への支払期日)をフリーランスに明示した場合、フリーランスへの報酬の支払期日は、他の事業者から発注事業者への支払期日から起算して30日以内のできる限り短い期間内で定めることができるとされています(出典:政府広報オンライン)。

この例外を使う場合は、単に「再委託です」と伝えるだけでなく、元の発注者名と、自社が元の発注者から報酬を受け取る期日まで具体的に明示する必要がある点に注意してください。

1か月以上の委託で禁止される7つの行為

禁止行為とは、発注事業者がフリーランスに1か月以上の業務委託をした場合に行ってはならないと法律で定められた7つの行為のことです。

公正取引委員会のフリーランス法特設サイトと政府広報オンラインは、1か月以上の業務委託において、次の7つの行為を禁止しています(出典:公正取引委員会、政府広報オンライン)。

1か月以上の委託で禁止される7つの行為
No. 禁止行為 内容
1 受領拒否 フリーランスの責めに帰すべき理由がないのに、発注した物品または情報成果物の受領を拒むこと
2 報酬の減額 フリーランスの責めに帰すべき理由がないのに、あらかじめ定めた報酬を発注後に減額すること
3 返品 フリーランスの責めに帰すべき理由がないのに、受け取った物品等を受領後に返品すること
4 買いたたき 類似品等の価格または市価に比べて、著しく低い報酬の額を不当に定めること
5 購入・利用強制 正当な理由がないのに、発注事業者が指定する物・役務の購入や利用を強制すること
6 不当な経済上の利益の提供要請 発注事業者のために、金銭、労務その他の経済上の利益を提供させ、フリーランスの利益を不当に害すること
7 不当な給付内容の変更・やり直し フリーランスの責めに帰すべき理由がないのに、費用を負担せずに注文内容を変更させ、または受領後にやり直しをさせること

これらは、委託期間が1か月以上に及ぶ契約すべてに適用されるため、単発の撮影ではなく継続的なSNS運用代行を委託する場合はほぼ対象になると考えておく必要があります。

SNS運用代行で禁止行為に当たりやすい実務パターン(仮の例)

買いたたきとは、類似品等の価格または市価に比べて、著しく低い報酬の額を不当に定めることのことです。

以下は、SNS運用代行の現場で禁止行為に該当しないか注意が必要な運用パターンを整理した仮の例です。実際の契約の該当性は個別の事情によって判断されるため、参考としてご覧ください。

  • 仮の例1(不当な給付内容の変更・やり直し)投稿デザインの色味が発注担当者の好みと違うという理由だけで、追加の作業費用を支払わずに撮り直しと再編集を指示する
  • 仮の例2(報酬の減額)契約時に月額固定で合意した運用代行費を、投稿のエンゲージメント数が想定より伸びなかったことを理由に、フリーランス側に責任がないにもかかわらず契約後に一方的に減額する
  • 仮の例3(受領拒否)検収基準を事前に示さないまま、納品済みの月次分析レポートについて「求めていたものと違う」とだけ伝えて受け取りを拒み、支払期日を先延ばしにする
  • 仮の例4(購入・利用強制)投稿業務とは直接関係のない自社の有料ツールやセミナーの購入を、契約継続の条件であるかのように伝えて利用させる

いずれも、フリーランス側の責めに帰すべき理由(成果物の仕様違反や納期遅延など)がある場合は禁止行為に該当しない可能性があります。

判断に迷う場合は、指示内容を書面で残したうえで、公正取引委員会や中小企業庁の窓口、または弁護士に確認することをおすすめします。

外注先とのトラブルに発展しやすい傾向は「SNS運用外注の失敗事例10選と原因|2026年最新」でも取り上げています。

募集情報の的確表示とハラスメント相談体制の整備

募集情報の的確表示とは、フリーランスの募集情報を広告などで提供する際に、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示をせず、内容を正確かつ最新に保たなければならない義務のことです。

政府広報オンラインの解説によれば、発注事業者が広告などにフリーランスの募集情報を掲載する際は、虚偽の表示や誤解を与える表示をしてはならず、正確かつ最新の内容に保たなければならないとされています(出典:政府広報オンライン)。

SNS運用代行の担当者を業務委託で募集する場合、報酬額や業務範囲、稼働時間の目安などを募集ページに古いまま放置せず、条件変更のたびに更新する運用が必要です。

あわせて、ハラスメント対策に係る体制整備も義務づけられています。公正取引委員会のフリーランス法特設サイトでは、ハラスメントによりフリーランスの就業環境が害されることがないよう、相談対応のための体制整備などの必要な措置を講じなければならないとされ、対応例として、従業員向けのハラスメント防止研修の実施、相談担当者や相談対応制度の設置、外部機関への相談委託などが挙げられています(出典:公正取引委員会)。

SNS運用代行を発注する企業も、社内の既存のハラスメント相談窓口を業務委託先のフリーランスも利用できる形に広げておくと、この義務への対応がしやすくなります。

6か月以上の委託で生じる育児介護等への配慮義務

育児介護等と業務の両立に対する配慮とは、6か月以上の業務委託をしているフリーランスから申出があった場合に、妊娠・出産・育児・介護などと業務を両立できるよう発注事業者が必要な配慮をしなければならない義務のことです。

政府広報オンラインの解説では、発注事業者はフリーランスに6か月以上の業務を委託する場合、フリーランスが妊娠、出産もしくは育児又は介護などと業務を両立できるよう、フリーランスの申出に応じて必要な配慮をしなければならないとされ、具体例として、子の急病による作業時間確保が難しくなった場合の納期変更や、介護のための曜日限定オンライン就業への切り替えなどが挙げられています(出典:政府広報オンライン)。

SNS運用代行を長期契約で発注している場合、投稿スケジュールの調整や、撮影同行が難しい期間のオンライン対応への切り替えなど、業務内容に応じた配慮を検討できる体制を事前に用意しておくと、申出があった際にスムーズに対応できます。

中途解除・不更新の30日前予告と理由開示

中途解除等の事前予告・理由開示とは、6か月以上の業務委託を解除または不更新とする場合に、原則30日前までに書面等で予告し、フリーランスから請求があれば理由を開示しなければならない義務のことです。

政府広報オンラインの解説によれば、発注事業者は6か月以上の業務委託を中途解除する場合や更新しないこととする場合、原則として30日前までに予告しなければならず、予告の日から契約満了までの間にフリーランスが理由の開示を請求した場合は、その理由を開示することが義務付けられています(出典:政府広報オンライン)。

公正取引委員会のフリーランス法特設サイトでは、中途解除等の予告方法として書面、ファクシミリ、電子メール等が挙げられています(出典:公正取引委員会)。SNS運用代行を半年以上継続して委託している場合は、契約更新の判断時期をカレンダーで管理し、更新しないと決めた時点で速やかに30日以上前の予告ができるよう、社内の意思決定スケジュールを逆算しておく必要があります。

契約書に解約条項をどう定めておくべきかは「SNS運用代行の契約で失敗しない注意点12選|トラブル回避術【2026年版】」でも整理しています。

発注フローと稟議に取引条件明示を組み込む方法

発注フローへの組み込みとは、フリーランス法で求められる取引条件の明示や支払期日の設定を、社内の発注申請・稟議のテンプレートにあらかじめ項目として用意しておく運用のことです。

取引条件の明示義務は、発注のたびに担当者が個別に判断していると抜け漏れが起きやすいため、発注書や稟議のフォーマットに9つの明示項目をあらかじめ入力欄として組み込んでおくことが有効です。政府広報オンラインも、書面等による取引条件の明示がスムーズにできるよう、発注書のフォーマットを用意しておくことを勧めています(出典:政府広報オンライン)。具体的には、稟議申請の段階で「委託内容」「報酬額」「支払期日(受領日から60日以内での設定根拠)」「検収予定日」を必須入力にし、承認者がこれらの項目を確認してから発注する運用にすると、支払期日の設定漏れを防ぎやすくなります。

SNS運用代行のように月次で継続発注する場合は、初回契約時の稟議で明示項目を固定し、以降は変更点だけを追記する形にすると運用の負担を抑えられます。

外注費用の相場観を踏まえて稟議の予算枠を検討する場合は「法人向けSNS運用代行の費用相場と選び方」もあわせてご確認ください。

担当者交代時の引き継ぎで抜けやすいチェック項目

担当者交代時の引き継ぎとは、フリーランスへの発注業務を担当する社内担当者が交代する際に、取引条件・支払期日・進行中の配慮申出などの情報をもれなく後任へ引き渡す作業のことです。

フリーランス法上の義務は契約そのものに紐づくため、社内の担当者が変わっても消えることはありません。異動や退職で担当者が交代するときは、少なくとも次の情報を後任へ引き継ぐ必要があります。

第一に、既に明示済みの取引条件9項目の記録(発注書やメールの保存場所)です。第二に、直近の支払期日と、受領日からの起算根拠です。第三に、進行中の育児介護等への配慮申出や、予告済みの中途解除・不更新の有無です。

第四に、フリーランス側から寄せられている相談・要望の履歴です。これらが引き継がれないと、後任の担当者が取引条件を把握しないまま支払期日を超過したり、配慮の約束を反故にしてしまうリスクがあります。

SNSアカウント自体の権限引き継ぎ手順は「企業SNSアカウントの権限管理と引き継ぎ手順|担当者交代と乗っ取り対策」で解説しているので、フリーランスとの取引条件の引き継ぎとあわせて社内マニュアルに組み込んでおくと管理しやすくなります。

違反した場合の行政対応と相談窓口

違反時の行政対応とは、発注事業者にフリーランス法違反の疑いがある場合に、公正取引委員会・中小企業庁・厚生労働省が調査を行い、指導・助言や勧告、命令、企業名公表などの措置をとる仕組みのことです。

政府広報オンラインの解説では、発注事業者に違反と思われる行為があった場合、フリーランスは公正取引委員会、中小企業庁、厚生労働省に対してその旨を申し出ることができ、行政機関は報告徴収・立入検査といった調査を行い、指導・助言のほか勧告を行い、勧告に従わない場合には命令・公表をすることができ、命令違反には50万円以下の罰金があるとされています(出典:政府広報オンライン)。

また、発注事業者は、フリーランスが行政機関の窓口に申出をしたことを理由に、契約解除や今後の取引を行わないようにするといった不利益な取扱いをしてはならないとされています(出典:政府広報オンライン、同上)。

契約上・仕事上のトラブルについては、厚生労働省が運営する「フリーランス・トラブル110番」で弁護士に無料相談できます(出典:政府広報オンライン)。

発注事業者側としても、社内で違反リスクのある運用を把握した時点で、自主的にこうした窓口や専門家へ相談し、是正しておくことが望ましいといえます。

よくある質問(FAQ)

Q1. SNS運用代行を個人のフリーランスへ外注すれば、常にフリーランス法の対象になりますか
自社が従業員を使用する発注事業者であり、外注先が従業員を使用しない個人または一人社長法人であれば対象になります。外注先が法人で従業員を使用している場合は、この法律上の「フリーランス」には該当しません。個別の該当性は公正取引委員会や中小企業庁の窓口で確認できます。
Q2. 取引条件の明示は口頭で伝えるだけでも問題ありませんか
口頭のみの明示は認められていません。書面またはメール、SNSのメッセージなど電磁的方法のいずれかで、記録に残る形で明示する必要があります。
Q3. 支払期日を60日より後に設定してしまった場合はどうすればよいですか
受領日から60日以内のできる限り短い期間内という条件を満たしていない可能性があるため、契約内容の見直しが必要です。既存契約への当てはめ方に迷う場合は、公正取引委員会・中小企業庁・厚生労働省の窓口や弁護士に確認することをおすすめします。
Q4. 委託期間が1か月未満の短期発注でも気をつけることはありますか
禁止行為の規定は1か月以上の委託が対象ですが、取引条件の明示義務は委託期間の長さにかかわらず発生します。単発の撮影1回のみといった短期発注でも、明示すべき9項目への対応は必要です。
Q5. 担当者が異動・退職した場合、フリーランス法上の対応はどうなりますか
義務は契約そのものに紐づいているため、担当者が交代しても消えません。取引条件の記録、直近の支払期日、進行中の配慮申出や解除予告の有無を後任へ漏れなく引き継ぐ必要があります。

まとめ

SNS運用代行を個人のフリーランスへ外注する企業は、資本金の額にかかわらず、取引条件の書面明示、支払期日の60日以内設定、1か月以上の委託での禁止行為の回避、募集情報の的確表示、ハラスメント相談体制の整備という義務を負い、委託期間が6か月以上になれば育児介護等への配慮と中途解除の30日前予告も加わります。

これらは発注のたびに担当者の裁量に委ねるのではなく、発注書のフォーマットと稟議のチェック項目にあらかじめ組み込み、担当者交代時にも引き継ぐ仕組みにしておくことで、抜け漏れのリスクを下げられます。

契約内容や個別事案の該当性については、公正取引委員会・中小企業庁・厚生労働省の窓口、またはフリーランス・トラブル110番、弁護士への相談をあわせて検討してください。

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本記事は公式情報・専門メディアを参考に執筆しています。最新の正確な情報は引用元の公式ページをご確認ください。
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